アクオン領の大迷宮007

チャレンジ教室で三班に別れて行う活動で

受け持っているロールプレイングゲーム班の

活動紹介も7回目。

 

いよいよTRPGの醍醐味でもある

地下迷宮の探検が始まります。

TRPGではイマジネーションが

ゲームを遊ぶのに重要な役割を占めています。

ゲーム進行係であるゲームマスターの説明と

自分たちが作ったキャラクターの能力値や持ち物を書き込んだ紙

自分たちの状況を整理するために自分たちで書いたメモしかないからです。

特に今回のように地下迷宮を探検する時は、

言葉だけで説明される迷宮の説明を頼りに

冒険者が迷わないための地図を書き起こさなければなりません。

この作業には集中力と理解力が必要で、

大人でもなかなか難しいことです。

もちろんゲームマスター側にも

平易で論理的な説明をする事が求められます。

↑↑↑↑↑↑

こ    れが下手な人は結構多いですがね :b

 地下迷宮の入り口を見つけた冒険者たちは、はやる気持ちを落ち着かせながら、まずはたいまつに火をつける事にした。オリマーの取り出したたいまつにオリマーがマッチをひとすり…しかし、この時代の質の悪いマッチは火がつかない事が多い。この後クリスタルが二本、クリスが二本試してようやく火をつける事に成功した。
 冒険者は、クリスタルを先頭に二列目がクリスとランバ、三列目にルギアとオリマー、そして最後にレッドとレイラと言う隊列で、地下迷宮へと降りて行く。
 魔法使いルギアの持ったたいまつの明かりに照らされた地下迷宮は、じめじめとした黴臭いレンガ造りで通路の幅は180cmくらい。手に入れた地図を見ながら進んだ冒険者は、最初の部屋の前に立った。
 扉は木製で鍵穴はない。先頭のクリスタルがドアを押すが開かない。よく調べるとドアは引いて開けるタイプのようだ。改めてドアを開けると、中はその昔待合室だったのだろう、中央に燭台をのせた朽ちかけの丸テーブルが置かれており、周りに四脚のイスが配置されている。壁にはこの国の古い勢力地図が貼られている事から、少なくとも三十年以上は人知れず閉ざされていたのだろうと想像がつく。
 冒険者は、部屋をくまなく調べてみたが、はずみでイスを一脚壊しただけだった。

 消えかけたたいまつの代わりをオリマーが取り出し、部屋を後にした一行は、最初の丁字路で立ち止まり左右を見回す。右へ進み、角に立ってレッドが聞き耳を立ててみたが、これと言った物音はしない。冒険者は×印へ行くかS印へ行くか話し合い、地図上の「S」と書かれた場所まで進む事にした。
 そこは、ただの壁だった。
しかし、印が書かれているからには何かがあるに違いないと信じるクリスタルとオリマーが壁を調べると、はたしてそこには隠し扉の仕掛けが見つかった。レッドが壁に耳を当て聞き耳を立てると、確かに壁の向こうに空間があるような気配がうかがえる。意を決した冒険者が、壁が回転する仕掛けのドアを押して回す。そこは小部屋ほどの広さの空間で、地図の通り通路が伸びていた。

 突き当たりまで行こうと言う事で先を進む一行だったが、あまりにも不用意に進んだため、先頭のクリスタルが通路に仕掛けられていた落し穴に落ちてしまった。
 150cm程の深さの落し穴からクリスタルを助け出した冒険者たちは、たいまつの火をつけ替え先に進む。
 突き当たりには扉があった。
 クリスタルが押し開けようとしたが開かない。引いても開かない。スライド式かと横に引っ張ってみたが開く訳もなく、改めて扉を見ると、木製の扉には鍵穴があった。レッドが鍵穴に耳を当て聞き耳を立てる。向こうには確かに空間が存在するようだ。次にクリスが鍵穴に特殊な道具を差し込み十分ほどかけて鍵を開ける。道具をしまったクリスは、念のため寛喜穴をのぞいたが、案の定真っ暗で何も見えなかった。
 冒険者たちは、扉を開け先に進む。三ブロック程進むと左に曲がっていて、その先にはまた扉が待っていた。
 何か言い知れない不安を感じた七人は、静かに扉の向こうに耳を傾ける。静寂の中、クリスだけがかすかに何かが存在する「音」を感じ取った。それを聞いたレッドが木製で鉄の枠で補強された扉にある鍵穴をのぞき込むと、中は仄かに明るかった。確認のため、クリスタルが鍵穴をのぞき込んだ時、小さな鍵穴の向こうで何かが動くのを見た。そのおぞましい姿は子供の頃、寝物語に聞かされた英雄物語に出て来たアンデッドの描写によく似ていた。
 「あれは、なんて名だったろう?」
 必死に記憶を探ったクリスタルはやがて「食屍鬼」という怪物の名を思い出した。ゾンビやスケルトンと違い、死んではいるが生きてもいると言う生きた人を好んで食べる飢えた死体だ。
 クリスタルから扉の向こうの敵を知らされた冒険者たちは、戦いへの恐怖と興奮を覚え、誰もが武者震いをした。

覚悟を決めた七人はグールに勝つ事が出来るのか?
この続きは、次回を待て!!