まず、胴体に、胴串が抜けないようにパイプを仕込みます。
ゴンちゃん劇場では、調理用ラップの芯などを適当な長さに切って位置を合わせてホットボンドで仮留め、張子の要領で和紙でのり付けしています。
Tutorial 01で書いてますが、昔は板で作った肩台で、支えていましたが、胴体部分も張子にしたため、より簡易なただの筒と云う肩台に変更しています。
次に、胸回りより少し大きいくらいの輪を針金で作ります。
その針金の前後に和紙を取り付け、和紙の上端を胴体にのり付けします。これが腹周りに、そして画像では見難いですが、下部の辺りでなんとなく弧を描いている針金が見えると思います。ここが腰になります。
ゴンちゃん劇場の人形劇は、ほとんどが昔話のていを為していて、多くの場合で手塚マンガのスター・システムのように人形を流用しています。そして、役によって衣裳だけを着替えたりします(むしろ、スターシステム導入のため、着替えの楽な和服=昔話を作っているとも云えます)。なので、この胴回りと腰骨にあたる針金は非常に重要な役割を果たします。
これがないと、帯が締まんないの :P
手足はニット素材の布で胴体にのり付けします。
足は膝まで、腕は肘までが張子で作られているので、それぞれ太股と二の腕が布と云う事になります。
腹回りもそうですが、この部位は基本的に見える(見せる)場所ではないので、必要な機能さえ満たせばよくこれで充分...というより、むしろこのスタイルの方が操演の邪魔にならないと思います。
画像の人形は腕と手を一つの塊と見なして作られていますが、よりリアリズムを求めた作品の人形の場合は腕の先に、ミトン型さらに進めて五本指の手を作る事もあります。
また、女役人形の場合は袴・股引・脚半といった格好=足を露出する機会が少ないので、足を省略する事が多いです。
ここまでくると、後は特に説明の必要もないでしょう。
胴串に握りやすい太さの「握り」部分を取り付け、握りに取り付けたレバー(小猿)に絡繰へと繋がる糸を結びます。
後は役に合わせて髪の毛を付け〔ゴンちゃん劇場では、主に毛糸をのり付けします)着物を着せれば出来上がり。
あ・そうそう :D
差し金の話もしておきましょう。
1.5mmくらいの針金の先端に小さな輪を作り、2カ所に穴を開けた塩ビの板を折り曲げたものに挟みます。塩ビ板の穴と針金の輪にはバインド線を通し、針金が抜けないようにします。
この時、バインド線はきつく締め過ぎないようにしましょう。塩ビ板を持って揺らした時に針金がプラプラするくらいにして下さい。
この塩ビ板を切れ目を入れた手に差し込めば、文字通りの「差し金」です。
余談ですが、この工程で作った人形で一番重いのがこの差し金です :p
総重量の半分は差し金かも知れません XD
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