アクオン領の大迷宮005

その様子の紹介は、次のページに書くとして、

 

と、書いてから1ヶ月以上たってしまいました :P

この間、6回目のセッションをこなし、

冬休み・年末年始を通り越して

三学期も始まってしまってます X(

 

今回の冒険は、迷宮も戦闘もほとんどなく、

ゲームマスターの教える状況説明と登場人物との会話からヒントを見つけ、

推理して問題を解決するというシナリオで、

こどもたちのコミュニケーション能力や決断力を試し、

養う事を目的に考えられたものです。

この手のシナリオは、

何度もTRPGを遊んでいるような大人たちでも

なかなかうまいことプレイ出来るものではないのですが、

ダイス判定などで助け船を出しながら

自分たちだけで解決する(したように感じでもらう)よう心掛けました。

大人相手ならそんなことしませんがね :P

 

という事で、全力で「リプレイ」を紹介しましょう。

 初めての怪物退治を成功させた冒険者たちは翌日、意気揚々とオーコーツ亭に戻ってきた。
 戻ってきたオーコーツ亭は、冒険者たちで活気のあるいつもの様子とは違い、一階の酒場は閑散としている。
 宿のオヤジに理由を聞くと、アクオンで五本の指に入ると云われる大商人、アーベィさんの一人娘ハンケープさんが何者かにさらわれたらしく、アーベィさんが懸賞金を出して行方を探しているのだという。なんと、その額3,000メダル!! 一獲千金を狙う冒険者がこんないいはなしに乗らない訳がない…という事で、冒険者たちも3,000メダル欲しさにハンケープさん捜索を始める事にした。

 まずは、情報収集をしないと始まらない。誰に聞けば一番情報がもらえるだろう? 悩んだ揚げ句、ここはやっぱり当事者であるアーベィさんに聞くのが一番だろうという事で、翌日アーベィさんのお店フームーへ向った。
 アーベィさんによると、商品の仕入れにサポーロへ行った帰り、アクオン領に入って一番最初の宿ビッグファンモー亭を過ぎてニューサン亭が見えるかという辺りで突然、10人ほどの武装集団に襲われた。武装集団は、荷物には見向きもせずに車列の最後尾の馬車に乗っていたハンケープさんだけをさらって行った。事件から今日で三日になるが、犯人からは何の連絡もない。アクオンの国境警備隊に寄れば、少なくとも街道等から領外に出た形跡はなく、捜索にあたっている他の冒険者たちからもアクオンを出てはいないだろうという話だという。
 更に他の冒険者の報告によると、武装集団とはいえ大商隊を狙うには人数が少な過ぎる。手際が良過ぎる。この事から考えて、内通者がいるに違いない
ということで、関係者全員を調べた(悪者を見つける魔法も使った)が、みつからなかったのだという。

 陽も傾き出し、とりあえず一度オーコーツ亭に帰って捜索は明日からにしようと、屋敷を出た時、クリスタルとレイラ、ルギア、クリス、ランバが、従業員らしい男が、怪しい感じでその場を去ろうとしているのに気づいた。声を掛けようとすると突然、逃げ出したので冒険者たちは追いかけた。足の速い男だったが、なんとかクリスが追いついて取り押さえる。冒険者たちは、周りに誰もいない事を確認すると、男をオーコーツ亭に連れて行き、尋問する事にした。
 七人の冒険者に囲まれて尋問を受ける男はしかし、頑として口を割らない。しかし、クリスタルとレイラ、オリマーは、長時間の尋問で、男がエリを気にして何度となく触る仕草が気になってシャツを脱がして調べてみると、ごわごわしている。糸を切って開いてみると中から襲撃の詳細な計画書が出て来たではないか。それによると、目の前の男が襲撃の手引きをする役になっている。

 しかし、男はどうして「悪者を見つける」魔法に反応しなかったのだろう?

 それは疑問だったが、冒険者たちは男を脅して犯人グループの隠れ家が「その昔スターガーデンと呼ばれていた教会跡にいる」との証言を引き出し、他の冒険者にバレないようにすぐさま冒険支度を確認して宿を出発。暗い夜道を出来るだけ静かにスターガーデン教会跡へ急ぐ。

 真夜中を過ぎ、ようやくスターガーデンの門の前に辿り着いた冒険者たちは、息をのんだ。
 教会跡とはいえ、門から入り口までの間に散乱する骨だけの遺体。しかし、冒険者たちは怯む事なく門扉を開け、敷地内に踏み込んだ。するとどうだ! 散乱していた骸骨たちが動き出したではないか!
 「うわっ! スケルトンだった!」と叫んだのはランバである。
 スケルトンは命令を実行するために魔法で作り出されたアンデッド(命なきもの)である。  動き出したのは全部で八体。短剣や短刀を手に持ち、中には革の鎧を着ている者もいる。オリマーはロングボウを射るが、ろっ骨の隙間を通り抜けてしまう。敵の数が多いのですぐに接近戦になってしまうので、仕方なくオリマーはナイフに持ち替えた。他の冒険者たちは始めから接近戦用の武器を構えていたのでそれぞれに目標を決めて戦いに挑む。最初の怪物退治から三日しか経っていない冒険者たちは、その時の傷が癒えていない事もあり八体のスケルトンに苦労するが、ルギアが呪文を唱えて二本の魔法の矢で一体を倒すなど、コブリン退治同様になんとかスケルトンを全滅させる事が出来た。
 しかし、冒険者たちもかなりの怪我を負った。もっともひどい怪我をしていたランバをルギアが「怪我を治す」魔法で少し回復させた。

 一息ついた冒険者が廃虚の教会に入ると、そこでは今正に結婚式を挙げる直前のグループが! 実は、アーベィさんの一人娘ハンケープさんは結婚を許してもらえない恋人の鍛冶職人フジブックと相談し、狂言誘拐を計画。今日ここで結婚式を挙げてクシュロへ駆け落ちしようとしていたのだ。
 冒険者たちは話し合い、あくまでアーベィさんの依頼を遂行し、3,000メダルの報酬を貰うか、それとも若い二人の前途を祝して見逃した方がいいかを議論した。オリマーは、ただ一人強硬に3,000メダルの報酬を主張したが、他の六人の冒険者たちがスケルトンを操れるような強力な魔法使いがいる相手と戦うのは分が悪い事もあり、見逃そうと説得。フジブックたちは見逃してくれたお礼にと、この廃虚から見つけたという未発見の地下迷宮の地図や優秀な鍛冶屋であるフジブックが作ったチェインメイル・プレートアーマー・ロングソード、ほかに回復薬(ヒーリングポーション)が五個、最後にスケルトンを操っていた魔法使いからファイヤーボールの呪文が書かれた巻物(スクロール)をもらった。

このミッション、実は当初のクリア目標である

「アーベィさんにハンケープさんを返す」と

経験点500p・報酬3,000メダルを

獲得出来るよう設定されていました。

そして、冒険者が選択した裏クリアの報酬は、

お礼の品々と800pの経験点。

しかも、名工のうったモノには魔力がこもるという設定の元

ロングソードはフジブック渾身の快作で魔力を秘めている

つまり、マジックソードであると云うオマケ付き。

次のシナリオの進行を考えて多少

裏クリアへ誘導したという事実はあるものの

こどもたちが話し合い、多数決で出した結論である事に

とっても満足したセッションでした。

 

さて、来週からはフジブックたちにもらった地図を手掛かりに

スターガーデン地下に隠された迷宮の冒険です。

3学期中にクリア出来るように

シナリオの分量や進行速度を調整をしながら

プレイヤーを充分に楽しませるという

ゲームマスターとしての醍醐味、腕の見せ所です。