アクオン領の大迷宮002

先日3回目の活動をしました。

TRPGの経験がある人なら

60分くらいで終わってしまう程度のシナリオですが、

初めてなのと小学生なのもあってか、

先週と今週合わせて150分近く遊んで

まだ最初の冒険が終わっていません :P

 

それでは以下、ちょっとした読み物としてお楽しみ下さい。

 一獲千金を狙う冒険者たちはこのアクオンにやって来たばかり。腕に覚えはあるが、実際に怪物と戦った事がある訳ではありません。
 アクオン領の東のはずれにある地下大迷宮ターンコオの入り口に最も近い宿オーコーツ亭を定宿とし、いよいよ冒険をはじめようと同宿のベテラン冒険者に話を聞きました。しかし、ベテラン冒険者たちから地下大迷宮ターンコオがいかに恐ろしい所か知らされ、冒険がとても一人では出来ない事だと判り、慌てて気の合いそうな仲間同志集まって、さぁ冒険に出発しようかと仲間同士で話し合い。いきなりターンコオはちょっと自信がないのでどうしようかと相談していると、優しいベテラン冒険者グループが依頼仕事を紹介してくれた。
 「オーコーツ亭から西に半日ほどの所、ラビンラブン亭近辺が最近怪物に襲われるようになったので、退治してくれる冒険者を募集しているそうだが、やってみないか?」というものだ。
 「とにかく、詳しい事はラビンラブン亭で聞いて見るといい」と、助言された一行は、翌日早速ラビンラブン亭へ向う。

 宿のオヤジに話を聞くと、半年ほど前から近くを流れる新アクオン川の上流の小高い丘に怪物が住み着き、集落を襲うようになり、先月遂に住民に死者が出たので怪物退治の依頼をする事になったという。
 冒険者たちは、宿の好意で一泊泊めてもらい、翌朝早くに川を上流目指して歩き始めた。
 川伝いに二時間ほど歩くと、情報通り小高い丘が見えてくる。
 そこで七人の冒険者たちは考えた。
「どうやって怪物の棲み家を探し出すか?」
 初めての冒険でどうしていいか判らないため、なかなか方針が決まらず三十分ほど議論していると、ポカポカ陽気のせいでどこからともなくなんとも鼻に付く臭いが漂ってきた。
 冒険者たちは、この臭いの原因は怪物のせいに違いないと思い、臭いの元を辿る事にし、話し合いの結果、七人の中で唯一人の女性戦士レイラが調べに行く事になった。
 レイラは、十分ほどで草原の一画で大きな土砂崩れが出来、地面がむき出しになっている所で50cmほどの穴から糞尿が垂れ流されているのを見つけた。レイラはこの穴を見て、きっと近くに怪物の出入口があるに違いないと思い、更に探索する事にした。
 土砂崩れの跡を慎重に調べて行くと、思った通り直径150cmほどの出入口らしき穴を発見。見張りなどはなくレイラは一人で中に入って行く事にした。

 一方、残って待っていた六人の冒険者は、二十分経っても戻ってこないレイラを心配し、全員で探しに行く事にする。
 やはり十分ほどで、糞尿の川を発見。ルギアとクリスが子供のように糞尿の川に喜んでいる横で、オリマーは穴に向って矢を放ってみる。しかし矢は穴の中をいくらも行かないうちに糞尿に突き刺さった。
レッド、クリスタル、オリマー、そしてランバは、レイラ同様近くに「出入口があるのでは?」と考え、あたりを探索。程なく穴に入ろうと準備をしているレイラを発見した。

 七人揃った冒険者たちは、隊列を組み穴の中へ入って行く。
 穴はすぐに外の光が射し込まなくなったのでたいまつに火をともす事にした。直接戦闘に参加出来ない魔法使いのルギアが自分のたいまつを取り出すと、オリマーがマッチをひとすり...しかし、うまく行かず、結局ルギアが三本目でようやく火をつける事に成功。赤い炎が照らし出す洞窟は、怪物たちが粗雑に掘ったものらしく、地面も壁面もごつごつしているが奥に行くほどゆっくり広くなっている。
 慎重に探検する七人はやがて、右手に横穴が掘られた場所にやって来た。
 そちらの方からは強烈な悪臭がしてくるので、無視してさらに奥へ進むと、道が二手に枝分かれしているところに差しかかった。
 話し合いの結果、左に進む事になり慎重に進むと、やがて広い空間になった所に出た。そこには十数匹の怪物が寝ている。
 その姿はぞっとするほど醜く、小学生くらいの背丈だろうか? 汚れた衣服で無造作に寝転がっていた。
 ゴブリンだ!
 妖精の仲間だとも言われているが、だれもゴブリンを妖精だとは思わないこの国ではどこででも見かける怪物で、腕に自信があれば決して手強い怪物ではないと聞く。
 しかし、寝ているとはいえ数が多い事と初めての冒険で慎重になっている冒険者たちは、もう一方の道からさらに多くのゴブリンが来たら挟み撃ちにあって危険かも知れないと思い、気づかれないように元来た道を戻り、枝分かれの反対方向へ行く事にした。

 冒険者たちの判断は正しかった。
 右側の道も同じように広い空間があり、ゴブリンが寝ていたが、こちらには七匹しかいなかったのだ。
 冒険者も七人。彼らはそれぞれゴブリンのそばに立ち、一斉に攻撃を仕掛けた。
 しかし、何事にもちょっとした失敗というものはあるものだ。寝込みを襲った攻撃は外れる事こそなかったが、オリマーの攻撃はほんの少し急所を外れていたらしく、致命傷を免れたその一匹が洞窟中に響き渡るような絶叫をあげたのだ。
 オリマーはすぐさまとどめの一撃をそのゴブリンにくらわせ、七匹全員倒したが、洞窟の向こう...おそらく先程の寝床のゴブリンが起き出し、戦闘態勢を整えようとしているらしい声が聞こえてくる。
 消えかかったたいまつの火からランバが取り出した新しいたいまつに移し替えた七人は、覚悟を決めてゴブリンが待ち受けているあの寝床へ向う。

果たして、冒険者たちはこの最初のピンチを
無事に切り抜ける事が出来るのか!?